商品を販売する側と買う側、メーカーと小売店、男性と女性など。立場が違えば意識は変わる。意識の差を埋めれば幸せが・・・？

爬虫類ショップに行くと、オーナーやスタッフから『この○○良いでしょう？レアな商品ですよ。これを逃すと当分入ってこないですよ。』というセールストークを仕掛けられる。
普通一般的に、客はここで『ドキドキッ』とするものである。
そこでスタッフに意地悪質問をしてみる。『あなたは飼ってみたいと思いますか？』
すると瞬間、スタッフの表情が固まる。９９％のスタッフはここで口ごもる。
『飼ってみたいとは思わないが、売ってみたいとは思う』と言った猛者オーナーが１人だけいた。

販売する側は、いかにその商品が早く売れていくかを考える。生き物の場合はエサを与えなければならないので、長くストックすればするほど仕入れ原価にエサ代が乗っかり、原価率が上がってしまう。その分、利益が減っていく。
最初に高い値段を付けておいて、数ヶ月経った後に売れないからセールに出すというのは経営圧迫の要因である。
『赤字覚悟』なんてキャッチコピーをつけられたセール用のペットは、よく計算してみると（エサ代や電気代など）完全に赤字になっている可能性が大きい。

最初から安く売れば、少しでも利益が出る。その利益の積み重ねで商売をすれば、経営的には安定する。しかし欲の皮が突っ張っているので、なかなか値段を下げられない。
『値崩れの原因を作った』と同業者から後ろ指をさされるのがイヤという声もあるが、それで倒産しかかっても同業者は助けてくれない。

客に対して爬虫類の流通ルートについてグダグダと話してくるスタッフもいる。そんな話を聞きたがるのはペットコレクターだけだろう。
本当に聞きたいのは（聞いておかなければならないのは）ペットのケアに関してだろう。

ところが、爬虫類ショップのスタッフで飼育経験豊富な人を探すのは難しい。
書籍や雑誌、ＷＥＢで仕入れた知識をひけらかすので、ハッキリ言って浅い場合が多い。
ショップでストックしていても、スタッフが生体を観察しているかどうかは５分話せばわかる。
飼育経験豊富なスタッフ、観察眼の鋭いスタッフから買う方が良いに決まっている。
それぞれの動物の持つ本当の良さ（レア度ではなく）を教えてくれる。
それが客の信頼を勝ち取る方法だろう。

メーカーと小売店の意識の差は歴然としている。
メーカーは『ウチの商品が売れれば、どこで売れても良い』、小売店は『ウチで買ってくれるなら、どの商品が売れても良い』という意識の差である。
メーカーは小売店の意識を知った上で、できるだけ意識レベルを近づけるようチューニングする努力が必要である。

長くなってしまった。男性と女性の意識の差、その差の縮め方などについては・・・また機会があれば。