アフリカの奥地に行ってもなじめる、日本人離れした独特の雰囲気を持った男、いや言い過ぎた、大きな公園のベンチに１日中座っていても違和感のない男がＪＲ新小岩駅の改札を通ってきた。
指定された午後３時を少し回っていた。

男はすぐにこちらに気づき、右手を少し上げて挨拶してきた。
こちらも右手を上げようと思ったが、まわりの目を考えて躊躇^{_{（ちゅうちょ）}}してしまった。

『ども。お久しぶりです』と声を掛けられて、なぜか少しホッとする。
（あぁ日本人だ・・・）

その男の職業は爬虫類雑誌の編集長。（現地に行けば変酋長）ちょうど１年前に、あるショップの懇親会で知り合った。生き方が１６５度ぐらい違うので、街で出会ったとしても『ただの通りすがりの人』だっただろう。

２日ほど前、携帯に『お茶でもしながら話しませんか』という連絡をもらった。
これまでパンサーの写真撮影を断り、ボールパイソンの取材も断った。
『ことある毎にことわってきた。』（早口言葉：３回復唱のこと・・・えっ簡単過ぎ？）
『今回は絶対断っちゃいけない』というプレッシャーで、３階にある事務所のベランダから携帯をアヤうく落としそうになった。

久しぶりに出会った２人は駅前のラブホの２階にあるファミレス『サイゼリア』にこそこそ入っていった。

２人は『ドリンクバー』を注文し、爬虫類のこと・・・ブログのこと・・・ショップのこと・・・雑誌のこと・・・を２時間話し続けた、だけだった。

（終）

　『ハープライフ１２号絶賛発売中ですってよ♪』



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